アメリカ最新情勢

アメリカの最新の経済・政治・社会情勢を解説して参ります

アメリカ最新情勢

まずはセミナーに参加されませんか?

民主党の証人喚問の動議が正式に否決となり、証人喚問と証拠文書提出が不可能となりました。民主党下院総務のナンシー・ペローシ議員は動議否決に即座に反応して「弾劾訴追の正当性とロバーツ連邦裁判所長官への侮辱行為を糾弾する」との声明をSNSなどで発信した模様です。アメリカ建国史上3回目の弾劾裁判の行方は5日の無罪評決で幕を閉じることになりそうです。CNNビジネスフロントやニュースルームでも弾劾裁判の話題はほとんど放送されていません。

弾劾裁判の事実上の終息に伴い代わりに話題の中心はコロナウィルス感染防止に移行しています。アメリカは衛生面でも間違いなく先進国でありますので、8人目の感染者が確認された事実を受けてウィルス発生源の武漢周辺の中国本土からの北米主要空港のあるシカゴやアトランタへの民間機の乗り入れを一部制限しています。空港の入国管理局では乗客のスクリーニングを実施して赤外線などを駆使して最新技術で感染者を洗い出し感染が確認された場合は入国拒否の方針を固めています。ナスダックやダウ平均の株価も下げ足を加速しています。好調なアメリカ経済への悪影響が懸念されています。

アメリカ主要航空では、アジア系の乗客を中国国籍の乗客と区別できずに入国制限などの対策に取り組み始めておりますが、一部アジア諸国からは早くも人種差別発言も飛び出しています。WHO(世界保健機関)も最大の出資国であるアメリカの感染予防策に歩調を揃える声明を発表しています。中国との貿易戦争は一部停止措置で収束の方向でしたが、コロナウィルス感染問題が引き金になり再燃する可能性もありそうです。全世界的には、SARSの死亡者を上回る犠牲者が報告されており、早期の終結に向けて西側先進国間の協調性が試されそうです。