アメリカ最新情勢

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アメリカ最新情勢

 

アメリカ議会の下院民主党員が検察官役を担当してホワイトハウス法律弁護団と対峙する質疑応答の2日間の日程が終了しました。陪審員役の上院議員からの質問状をあらかじめ弾劾裁判進行役のジョン・ロバーツ連邦裁判所長官に手渡してロバーツ長官が読み上げる形式で質疑応答が終了したのですが大統領の職権乱用と議会妨害の核心部分に踏み込むことが出来ずに万事休すの印象は否定できません。共和党側に3人以上の造反議員が出現すれば、渦中のボルトン氏やマルバーニー大統領主席補佐代行などの証人喚問

を実現させて証言させることや証拠文書の提出などを提起できますが、肝心の大統領罷免採決の為には上院出席議員の2/3以上の罷免賛成票が必要となりますが、過半数を与党共和党が占める上院罷免決議は民主党にとっては絶望的状況にあります。民主党最有力候補のジョー・バイデン氏とトランプ大統領双方に不信感が益々募ることだけは間違いなさそうです。どちらがより致命傷を負ったといえるのでしょうか?

弾劾裁判の冒頭陳述や質疑応答が1週間以上経過していよいよ評決のXデーの足音も近ずいて参りましたが、あと忘れてはいけないことは民主党各候補が弾劾裁判に専念するあまりテレビ討論会や街頭演説などの選挙活動が中断されてしまった悪影響も懸念されます。トランプ大統領を選挙戦に置いて不利な立場に追いやるのに神経をすり減らした代償は予想外に大きくアイオワ党員集会に向けて前進すべき民主党が逆に痛手を被ったようです。民主党の巻き返しに期待したいところです。