アメリカ最新情勢

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アメリカ民主党大統領候補者選び第三戦となるネバダ州党員集会の大勢が日本時間23日未明に判明しました。民主社会主義者を自称する大本命のバーニー・サンダースバーリントン市長が二位以下に10ポイントの大差で勝利する公算が高まりました。党員集会では各候補の熱烈な支持者が候補者に成り代わって主義主張を展開しますが、ネバダの人口構成が複雑な為に全人口の約3割を占める中南米からのヒスパニック移民も数多く登壇してサンダース候補の公約をスペイン語で代弁していました。大勢が判明した段階でサンダース候補は勝利宣言しましたが、演説の前半部分では民主社会主義者の同候補のポーランド移民として極貧の幼少時代や大学進学での苦学、度重なる選挙落選での挫折を支持者を面前にして率直に語りかけました。次に、党員集会での支持者の選挙応援や選挙資金の募金活動や様々なボランティア活動に謝意を表明しました。支持者のスピーチも他候補の支持者のスピーチを熱意で凌駕していた印象が残りました。謝辞の次には、地元バーモント州最大都市バーリントン市長を4期8年、連邦下院議員を8期16年の任期を全うした自分の政治経験の豊富さをアピールしました。主要政策としては、頓挫したままのオバマケアを一歩前進させた国民皆保険制度、所謂ユニバーサルヘルスケア制度の設立を公言しました。財源として個人富裕層や大企業に累進課税制度を導入して財源を捻出する構想も披露しました。経済格差の是正に大増税を公約しています。トランプ現政権とは真逆な公約となります。ネバダや次戦のサウスカロライナは非白人が人口の半数以上を占めるマイノリティ保護が看板政策の民主党の地盤ですので、確実に勝利を積み重ねていきたいのが本音でしょう。性的少数者LGBT)の権利を擁護する発言もありました。公立大学を実質無償化するグリーンニューディール構想も繰り返し公約に盛り込みました。但し、一見順調に見える序盤戦ですが、前回2016年度にも序盤でリードしながらも終盤にヒラリー・クリントン候補に指名争いで逆転を許しているだけに決して余裕がある訳ではないと思います。高齢で健康不安を抱えていることも懸念材料です。サンダース候補のネバダ大勝利の陰に隠れた格好ですが、第二位を接線ながらも獲得しそうな本来の大本命だったバイデン候補は早期撤退の危機を何とか乗り切ることができそうです。3月3日からは大富豪のブルームバーグ候補も参戦が予定されているだけにもうひとつ波乱が起きる可能性も決して排除することもできない状況です。サンダース候補は過去に所属していた労働ユニオン党を離党していますし正確には民主党公認候補であると一般的には見なされています。民主党の大統領候補指名レースはますます白熱しそうな雰囲気です。