アメリカ最新情勢

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アメリカ大統領選の第三戦となるネバダ州の民主党員集会(コーカス)まで秒読となりました。最大都市ラスベガスでは期日前投票が開始されて大勢の市民が大行列で参加する様子がCNNで放映されました。アイオワニューハンプシャーで不評でした選挙アプリを見直して新体制で期日前投票の準備が着実に進行したお陰で選挙人登録が整然と実行されて市民には大好評との情報もあります。ニューハンプシャーを僅差ながら制したバーニー・サンダース氏は勝利宣言から休養することなく街頭演説を活発化しています。先行するピート・ブディジェッシ氏や最年少女性候補クロブシャー氏をネバダで逆転しようという意気込みが伝わってきます。白人男性は圧倒的に共和党支持者が多数を占めていますので、マイノリティ(民族少数派)であるヒスパニック系移民などを優遇する政策を打ち出す方針です。国民皆保険制度(medical for all)や公立大学の完全無償化を目玉政策に据えて、スーパーチューズデーから民主党候補者レースに参戦してきたマイケル・ブルームバーグ氏を最大のライバルと認識した上で、大富豪にアメリカ大統領の要職に就任する資質が欠如していることを散々アピールする戦法で対抗しています

ただ、父親が不動産王として君臨した地位を継承しただけのトランプ大統領と一代で一般労働者階級から一躍ブルームバーグニュースで蓄財に成功したブルームバーグ氏では同じ大富豪でも各々の政治的バックグラウンドは様相が若干違いがあるのかもしれません。私は、ブルームバーグ氏が序盤州のアイオワニューハンプシャーネバダサウスカロライナを棄権してまで、テキサスなどの大票田の合計11州で一斉に党員集会と予備選が実施されるスーパーチュズデーからの参戦なのか確固たる理由が見つかりません

単なる奇策なのではないでしょうか?本当に途中参戦で形成を大逆転できる可能性があるのでしょうか?注視して参りたいと思います。

全然別の話題になりますが、先月にトランプ大統領が抜き打ちでアフガニスタンの反政府組織タリバンとの和平交渉進展の為に、首都カブールのバグラム米軍空軍基地を電撃訪問しました。タリバンとの終戦に向けた協議再開をタリバン側から打診された為に電撃訪問したと記者会見しましたが詳細に踏み込んだステーメントはありませんでした。大方の予想では大統領選挙を控えた選挙イヤーには紛争地から米軍を撤退させるのが得策との思惑があるようです。実は、アフガニスタンの反政府組織タリバンアメリカ派兵部隊との武力衝突は、1998年頃から本格的戦闘に発展してアメリカ建国以来最長の戦闘との評価が定着しています。アメリカ介入で泥沼化したベトナム戦争朝鮮戦争イラク戦争などよりもより長期化していることにトランプ政権も危機感を持ち始めた様子です。振る返りますと1994年にムハンマド・オマルを首謀者と20名の同志で結成された武装勢力タリバンですが、当時はアフガニスタンが深刻化する内戦の最中であったことや中央アジア地域の石油・天然ガスアフガニスタン経由で輸送する国家的事業が進展していた実情から、アメリカはむしろタリバンを軍事的に支援してアフガニスタンに平和と秩序を回復させる方針でしたが、1998年のアメリカ大使館爆破事件や2001年のアメリカ同時テロ直後に国連安全保障理事会決議でアフガニスタン国内に潜伏していたビンラディンアルカイダ幹部の身柄引き渡しを拒否したことを契機に、当時のクリントン政権は対アルカイダ政策を大幅に転換することを決断してカブールやタリバンの拠点でありましたカンダハルに米軍特殊部隊及び西側諸国有志連合を派兵して出口の見えない戦闘は長期化しました。トランプ大統領も1998年から20年以上も敵対関係にあるタリバンと和平協定を締結して米軍撤退を早期に実現しそうです。戦禍を拡大すれば共和党に批判票が投じられ2期目を目指すトランプ政権に不利になるからのようです。