アメリカ最新情勢

アメリカの最新の経済・政治・社会情勢を解説して参ります

アメリカ最新情勢

アメリカ大統領・トランプ政権は、2016年の就任以来、自己と意見が異なる政府高官を次々に政敵として辞任に追い込んだり、あるいは強権政権として解任して参りました。アメリカ大統領には議会が可決した法案を廃案にできる強大な大統領特権を有しています。しかしながら、過去に実在したソビエト連邦スターリン、フィリピンのマルコス大統領、キューバーのフィデル・カストロ議長、パナマのノリエガ将軍、カンボディアのポルポト政権、イラクフセイン政権など、旧宗主国が介入して内戦を終結させたり、独裁者を国外追放したりしたケースもありますが、アメリカのような民主主義が定着して成熟した民主主義国家では必ず反対野党などが存在して、与党の政治経済運営を監視して、行過ぎた独裁行為には反旗を翻すという反対勢力が活動しておりますので、先進民主国家が世界を巻き込むような事態の発端となる可能性は消滅しています。アメリカもかつての南ベトナムに加担すると膨大な戦費と多数の若者の生命が犠牲になるだけとの反省から最近に関しましては余程の蛮行が無い限り、直接軍事介入するのではなくて、経済制裁をまずは先行させて、それでも効果が無い場合に限って、欧米諸国などと協議の上で多国籍軍として反乱国や他国に軍事侵攻があった場合に軍事施設を空爆する方法で部分的に介入するように、所謂、世界の警察官の役目は終えた状況にあります

現在でも、ハンガリーオルバン・ビクトルベネズエラのマドゥーロなどの独裁者が誕生している国々もありますが、最終手段の軍事介入までには発展しておりません。アメリカ国内では、度重なる軍事作戦で経済的に疲弊して反対世論が根強くなっています

それと同時に来年の米国大統領選を見据えて与党共和党内部にも、駐留米軍の戦費負担増大にも慎重姿勢が垣根見られる雰囲気が蔓延しています。北朝鮮が一向に軍事演習と称してロケット発射実験を繰り返しても国連非難決議の採択や経済制裁を同盟国に呼びかける次元に留まっています。ところで、独裁政治に対する不満から民衆蜂起が勃発して政権が打倒されたのは、ルーマニアチャウシェスク大統領の捕獲・短期裁判・処刑となった1990年代の東欧革命の最後を飾ってしまった1例のみと言われています。処刑されたのは、大統領夫人も同様でした。ルーマニアは東欧の経済優等生として対外債務と無縁の東欧唯一の国家でしたが、不正蓄財や選挙の投票操作などが審判されて一般市民の武装蜂起が既成政党を打倒した事件として今後も語り続けられるでしょう。ルーマニア革命にはアメリカの関与はありませんでした。現行では、イランがホルムズ海峡を航行する石油タンカーを攻撃する蛮行に及んでいますが、アメリカを中心とした有志連合は参加国が少数に留まり、イラン制裁は現時点では実行されていません。アメリカも来年の大統領選挙を意識してますます内向き外交になることが予想されます。