アメリカ最新情勢

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アメリカ最新情勢

トランプ大統領は、対イランの米軍や有志連合の軍事施設拠点であるアサド空軍基地やその他のイラク国内軍事施設をロケット弾攻撃を受けましたが、アメリカ兵に死傷者が皆無だった点や軍事施設の物的被害も比較的軽微だったことを考慮してイランの今後の出方を注視するに留め追加の経済制裁だけの穏便な声明となりました。イラン側も故意に決定的な報復攻撃は自重したとの極秘情報も漏洩しています

一方のアメリカの立場にしましても11月の大統領選挙を見据えて大規模な戦禍拡大の選択肢は当初からなかった公算が高まっています。イランが追加経済制裁に反発したり国内の反アメリカ世論に後押しされて危惧されている生活インフラなどを標的にしたサイバーテロを実行する可能性は捨て切れません。アメリカはとりあえず追加の経済制裁だけの対抗措置を声明で明確化しましたが、ロシアや中国から物資供給が約束されていたり経済援助の恩恵に預かるイランを弱体化するにはあまり効果は期待できないというのが一般的な見方です。アメリカの民主党はイラン核合意からの離脱がイランのウラン濃縮に拍車をかけたとして共和党に揺さ振りを仕掛けています。トランプ政権の対イラン政策が大統領選に影響を少なからず与えそうな雰囲気です。ゴルバチョフ政権下でソビエト連邦が崩壊した1991年当時には米ソ冷戦時代は終焉したとの有識者の見解が支配的でしたが、今回のアメリカとイランの軍事衝突を検証すると米ソの代理戦争は継続しているという側面もあると筆者は考えます。また先日にイランの空港を離陸した民間機が墜落した航空機事故が発生しましたがテロとの関連性は無かったことが判明しました