アメリカ最新情勢

アメリカの最新の経済・政治・社会情勢を解説して参ります

アメリカ最新情勢

アメリカ合衆国第46代ジョー・バイデン大統領の就任式は、特に混乱も無く無事に終了致しました。就任演説で確約した、テキサス州とメキシコ国境との不法移民の流入を防御する防壁は、7割以上完成していましたが、今後の追加工事を延期・中止とする大統領令に署名しています。大統領の執行権とは議会の決議なくして連邦政府や米軍に法的拘束力を持つ大統領特権の一種です。中国寄りのWHO(世界保健機関)や米国に通商上の恩恵がないとの理由から脱退した、TPP(環太平洋経済連携協定)にも復帰する大統領を発令しました。気候温暖化最大の要因の二酸化炭素排出量を削減する国際的枠組みのパリ協定にも復帰しました。コロナウィルスで生活の糧を失った貧困層にも配慮して、生活援助の具体的なプログラムも提案発動しています。イランとの軍事衝突を回避する為には、IAEA提唱のイラン核濃縮の非核化核合意の対話テーブルにも参加する見通しです。中国との貿易戦争で、中国原産の輸入品に高率の報復関税を課税したトランプ政権の政策が、輸入インフレなどの発端になった4年間を反省して、通商政策につきましても見直しの機運が高まっています。ファーウェーなどの中国IT企業をセキュリティ

上の観点や軍事機密の漏洩を防止する目的に締め出していましたが、中国企業にも再度

アメリカ市場の門戸を開放する方向性の発言も飛び出しています。就任式から短期間で

トランプ政権下で行過ぎたアメリカ第一主義を修正するために、スピード感を意識した

卓越した行動力は就任直後の最高水準の支持率に反映されています。

隣国カナダと石油油田からオイルサンドを輸送する、キーストーンXLパイプライン構想は、既にカナダ側のアルバート州側の敷設工事が完了していますが、アメリカ側のイリノイ・オクラホマ・テキサス諸州では、現在も工事中だったのですが、工事の認可を取り消す決定をしたことに、カナダのジャスティン・トルドー首相は、同盟国ながら、

不快感を表明しています。バイデン政権は、エネルギーを石化燃料やオイルサンドなどから、風力発電や太陽光発電に徐々に移行させる方針ですので、カナダの国益をも考慮して最終的な決断を下すように行動すべきでしょう。

筆者は、バイデン新大統領の実行力には敬服しています。意外な船出となっています。

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